いらないように見える持ち物問題

「いくらいらないものに思えてもパートナーの持ち物を勝手に捨てることは絶対にいけません」

そりゃ当たり前だろうと思っていても
家族になり、一緒に暮らす時間が長くなればなるほど相手の持ち物に対して疑問が膨らむってことはある。

夫の私物はとても少なく、わずかな漫画とレコードくらいのものだ。
ただ、服がべらぼうに多い。
服はわたしの5倍、靴は7倍くらい持っていると思う。(わたしの服が少ないこともあるけれど)
とてもじゃないけれどウォークインクローゼットなんかじゃ賄いきれないため我が家ではひと部屋を完全に「服のための部屋」にしている。
壁一面をクローゼットにすることができる突っ張り棒的なアイテムを買い、かなりの服が収納できるようにしたのであるが、それでも夫のスペースはいつもパンパン。
その割に気に入った数枚をローテーションで着るだけなので、衣装部屋に眠る大量の服の存在意義が気になってきた。
いや、捨てはしないよ?
捨てはしないけれどもこれ完全に寝かせてるだけの状態だし、服もスペースも勿体無いよね?
虫食いの可能性もあるし、場合によってはカビが生えているかもしれない。
カビ……これはダメだ
カビの増殖って早そう。梅雨どきにうっかり食べ忘れたパンなんてたった3日で恐ろしいことになっていたし
着ない服の入った衣装ケースなんて年に何回も覗かない。家主の目の届かない場所にいるカビなんてもう増え放題じゃないか。

「また村がひとつ死んだ」

ユパ様の声が脳裏をよぎる。

わたしはとりあえずここ数年動きのなかった夫の服を全て引っ張り出して状態をチェックすることにした。
コンディション、概ね良好。
ほつれを直せばいけそうなものもあるし
カビも多少はあったものの腐海に飲まれる心配をするほどではない。
しかも上質な服ばかりだ。
ただ悲しいかな、若干サイズアウトぎみ。
昔はたいへんスリムだった夫も、やんちゃに育ちつつある子供達を安全に抱きとめるために腹回りにクッションがわりの贅肉を装備することにしたのだそうで(本人談)最近ボリュームがね、ちょっとね。
わたしがメンテナンスしたところで今の夫にはこれらの服は着られない。
じゃあこのままタンスの肥やし続行?
この決して広くはない家に?
これからまだまだ子供のものが増えるのに?

そんな無駄許せない

わたしは覚悟を決めた。

夫の服を旅行用のバッグに詰め込み
クリーニング店に持って行った。

数日後、ピカピカになって帰ってきた服たちを
わたしのワードローブに並べた。

何年も日の目を見なかった夫の服たちは今
わたしの服として活躍している。

いつだったか
夫のセーターを着たわたしを見て
夫が目を輝かせたことがあった。

「どうしたのその服?買ったの?いいじゃん!ちょっとママにはゴツめだけど。」

そりゃあなたの好きなテイストでしょうよ。
あなたが買ったんだから。

「そうかな?パパが気に入ってくれて嬉しい」

そう言うと、夫は照れていた。

via PressSync

コメント

  1. まさに私も同じことしてて、思わずコメントしました!
    無料で手に入って、おまけにパートナー好みな服なら一石二鳥!と割り切って着てます。笑
    パートナーの服を着れる体格でよかったですね!

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